フェロモンを使えば本当にモテる?

フェロモンを身に付けて女性にモテる!
その効果を狙って、日本だけではなく全世界の男性に売れた香水があります。
女性に好まれる香りで異性を引きつけられたらいいなと思う、男性の潜在願望にマッチして、みごとにヒットを飛ばしました。
ほかにはっきりとフェロモンの名前を冠にうたった香水もあります。
フェロモンには、加薬的な効果を望む男性の気持ちが強いのでしょう。
昆虫では性フェロモンを始め、攻撃や集合などのさまざまなフェロモンは認められています。
フェロモンを使っての実験は、どのような結果がでたのでしょうか?

人のフェロモンに関してはどうでしょうか?
1971年米国のウェルズリー大学心理学部の学生マーサ・マクリントクは、共同生活をする女子学生たちの月経がしばしば重なることに気づき、この原因を調べました。
すると女子学生たちの月経周期の一致は、彼女たちの間でもっとも支配的な女子学生に近くなる傾向が見られました。
このことから135人の女子学生の月経サイクルを調べたところ、わずか数カ月で月経の同調が見られる女子学生がいる一方で、そうでない学生もいました。
同調を経験した女子学生たちは、ただ同じ寮で生活しているというだけではなく、ルームメイトや親友同士でいっしょにいる時間が長かったのです。
その後1998年に彼女は、支配統制する女子学生のワキから汗を採取し、この物質を被験者たちの上唇に塗り、その反応を見るという実験を行いました。
対照グループの学生たちの上唇には、アルコールが塗られました。
この塗布を始めて4カ月後に、被験者たちの月経は支配的な作用をもつ女子学生と同調し、対照グループは、自分たちの通常のサイクルを守っていました。
女性が月経サイクルを同調させる能力は、フェロモンによるコミュニケーションにうながされるものです。
この効果は、おもに母と娘に強い相関が見られれます。
これらの実験の効果をマクリントク効果、女子寮効果とも言われます。
人間の持つフェロモン効果

人のフェロモンに関して、いくつかその作用が認められている物質があります。
PDD(pregna-4,20-diene-3,6,-diene)というストテロイド系の物質です。
米国ユタ州のバーリナーのグループが、ヒトの皮層から抽出した物質の中から見つけたものです。
この物質があることで不思議とリラックスできるという経験から、このニオイ物質を嗅いで、嗅細胞からの脳への刺激を見たところ、反応が認められたということです。
しかし、この効果については、調査の技術的な面や、ほかのグループで追試験がなされていないことなどが指摘されています。
まだある、男性のフェロモン!!

男性の持つヒトフェロモンとして有名なのが、男性ホルモンのアンドロステノンです。
浦乳類のフェロモンとしてオス豚から採取されました。
この成分をメス豚に喚がせると交尾を望む姿勢が取られることから、豚の性フェロモンとして確認されています。
甘い、不快なにおいが特徴で、男性は、60%、女性は40%がこのにおいを判別できません。
メス豚が交尾可能かどうかの状況を調べるために、家畜業者向けに商品化されている成分です。
ヒトフェロモンの実験
この物質を散布したイスに、座るかどうかの実験をしました。
その結果、女性は好んで座り、男性はさける傾向が見られました。
また、ヒトの鼻腔にこの物質を散布すると、内分泌バランスに影響があるとの報告があります。
その一方で、2004年に日本の企業がこの物質で実験をしました。
異性の体臭に対して、お互いにどのように感じているかを評価するため、20~30代の男女各10名にTシャツを7時間着てもらい、そのTシャツの「臭気の強さ」と「臭気の不快度」を、男女各10名の評価者が評価しました。
その結果、「臭気の強さ」に関しては、男女ともに男性の着用したTシャツのほうが強いと判定しましたが、「臭気の不快度」に関しては、女性のほうが男性の着用したTシャツをより不快に感じていることがわかりました。
男性の体臭成分には「低級脂肪酸類」、「ケトン類」、「アルデヒド類」、「アミン類」、「揮発性ステロイド類」などが含まれます。
特に揮発性ステロイド類は、女性より男性の体臭に多く含まれていることから、女性が不快に感じる男性の体臭は、「揮発性ステロイド類」が大きく影響していると考えられています。
揮発性ステロイド類に着目してこの体臭が増強されるメカニズムを調べるとともに、男性の体臭を抑える成分の開発に成功したという発表があり製品化されています。
科学雑誌からの指摘

2007年の『nature』誌には、嗅覚遺伝子の配列により、アンドロステノンを不快と感じる人と、バニラのようにいい香りと感じる人がいることが報告されています。
欧米のワキガがセクシーだと感じる人にはよろしい香りで、ワキガが苦手な日本人には、アンドロステノンはあまり受けないということでしょうか。
フェロモン香水によく入っているのが、このアンドロステノンの成分だとすれば、日本人にはあまり効果が期待できないことがおわかりですね。
また、マウスやラットで認められた性フェロモンの実験結果3つを挙げておきます。
1つ目は、未成熟メスの群にオスを入れ創ると性成熟が早まるというヴァンデンベルク効果。
2つ目は、性腺機能低下した成熟メスにオスのにおいを喚がせると機能が回復する、ウイツテン効果。
3つ目は、妊娠中に交尾相手と異なるオスのにおいと出会うと流産する、ブルース効果です。
いずれもヒトと同じ哺乳類の実験結果として、人への性フェロモン作用解明の要因として期待されている実験報告です。
このようにフェロモンも、ニオイに関係しています。
加齢臭や体臭の中にも、フェロモンの効果が含まれているということがわかってきたのです。

