
日本人の大腸に変化が起きています。
国立がんセンターの統計によれば、結腸がんと直腸がんを合わせた大腸がんに発症した人の数は10万7800人(2006年)、2001年に10万人を超えて以来、10万人を境に前後しています。
大腸がんは、ここ50年あまりで10倍以上に増加しています。
また大腸がんによる死亡率をほかのがんと比べると、男性の場合、肺がん、胃がんについて続いて第3位、女性では大腸がんが第1位となっています。
また、大腸がんは高齢者の病気と思われがちですが、40歳代から大腸がんが発症して進行していることがわかってきています。
さらに、大腸検診での大腸がんの発見率を見ても、35~39歳のグループと40~44歳のグループとでは、40~44歳が約2倍も多く見つかっています。
40歳代からは、大腸がんの危険性を意識しなければならない年齢と言えます。
日本人の腸はなぜ悪化してきたのでしょうか?
日本人の腸の不調や病気が増えてきたのはなぜでしょうか?
長年の研究の結果、腸の悪化の原因は次の4項目がわかってきました。
・腸に悪い食事が増えた。
・腸のリズムを乱す生活習慣
・ストレスの多い日常生活
・運動不足の増加
腸に悪い食事の増加
1960年代後半から、日本人食生活は、欧米型への大きく変化していきました。
特に、牛乳などの乳製品、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌を多く食べるようになり、その結果として、植物繊維や植物性乳酸菌の摂取量が減りました。
野菜や海藻、穀物などに多く含まれる食物繊維は、便の量を増やして排便を促します。
漬け物やみそなどに多い植物性乳酸菌は、腸内細菌のバランスを整えます。
肉類や乳酸菌などを多く食べ、野菜、海藻、漬け物など日本食を食べることの少ないのは要注意です。
腸のリズムを乱す生活習慣
健康のためには生活のリズムを整えることが大切です。
腸にも同じようにリズムが大切です。
腸のリズムを乱すのは、「朝寝坊、朝食抜き、不規則な食事時間、夜遅い食事、便意の我慢、夜更かし」などがあります。
このような不規則な生活を続けていくと、腸はどんどん悪くなっていきます。
ストレスの多い日常生活
腸は、腸自体に備わっている「腸神経」と、交感神経、副交感神経からなる「自律神経」の二つの神経によって働いています。
強いストレスがかかると、腸神経は知覚過敏を起こし、便を押し出すぜん動運動が過敏になりすぎて、下痢につながります。
また、自律神経では、体を緊張状態にすると交感神経が優位になります。
腸をリラックスさせてスムーズな排便をうながすのは、副交感神経なので、交感神経が優位になると腸の働きは鈍くなり、便秘につながります。
ストレスが少ない態では、腸神経と自律神経はバランスを取りながら働いていますが、強いストレスでバランスが崩れると、腸の働きに悪影響が出てきます。
運動不足の増加
体を動かす機会が少ない人は、腸の動きも鈍くなります。
消化、吸収の力が弱まり、ぜん動運動もスムーズに起こりにくくなり、便秘や腹部膨張感などにつながります。
また、近年、メタボリックシンドロームが大腸がんの発症リスクになるという研究発表もあります。
運動不足は、肥満や生活習慣病の原因になるだけでなく、腸の健康にも悪いと言えます。
腸を健康に保つための2つの大きな方法
どのようにして腸を健康に保つということに関して、大きく次の2つがあげられます。
・大腸を内視鏡で検査し、病気の早期発見、予防に努めること。
・腸をよくする健康的な生活(特に食事)を心がけること。
まず最初に腸の病気の早期発見に優れた検査を受けて、腸に病気や異常がないことを確認し、その上で、腸の健康にいい生活(特に腸にいい食事)を実践するということだと思います。
すでに腸に病気があり、そのままの状態で腸によい食事をいくらとっても、手遅れになることもあります。
検査と生活、これが腸を守る上で一番重要です。
どちらが欠けても十分ではありません。

