動物たちが好きなにおいとは何でしょう?

動物たちが好む?におい、香りのトップは何でしよう?
それは、「バナナ」と言われています。
ふつう動物の嗅覚は、生息する環境や食の噌好に大きく左右される傾向があります。
ハゲタカやモルモットは腐敗臭に、ハトは花の香りなどによい反応を示し、それぞれ異なる香りが選択されます。
しかしあるとき、種が違う複数の動物ににおいを嗅がせて、彼らの脳がどのように応答するかを調べる実験をしました。
すると哨乳類のイヌから鳥類のアヒル、ハゲタカ、バナナなんて食べたことのない肥虫類のカメまで、このにおいでは高い応答が見られるのです。
彼らは「バナナの香りはいい香りです。大好きです。」と言っているわけではないので、もしかすると大嫌いという応答なのかもしれません。
動物たちの脳の神経がバナナの香りに大きく応答したことですが、大変興味深い実験結果です。
このバナナの香りをたどると、元は、「Nテアミルアセテート」という香料化合物質の1種です。
ほぼすべての動物が応答を示すことから、香りの実験に多用される物質です。
人間が好むにおいとは何でしょう?
人間が好むにおい、香りとは、残念ながら科学では解明されていません。
統計学的に、たとえば100人中80人が柑橘系の香りを好む、または、ジャスミンやバラなど花の香りは多くの人に支持されて、幅広く商品化されているということしか、言えそうにありません。
また民族によっても好きな香りは異なると言えます。
炊きたてのご飯の香りが好きな日本人と、ワキガがセクシーと感じる欧米人の間には、相容れないものがあります。
民族を超えての好きなにおいがあります。

1970年から、2年に一度開催されているバラの品評会、世界バラ会議というイベントがあります。
主催はイギリスの首都ロンドンに事務局を置く、世界バラ連合です。
2006年の第14回会議は、大阪で行われ、日本独特の文化である盆栽や生け花の展示が行われました。
2008年現在、世界からの加盟国は、39カ国にのぼり、各大陸や地域にまんべんなく広がっています。
高貴なバラの香りは、民族の垣根を越えて、欧州や中近東、南北アメリカ大陸、インド亜大陸などで好まれている香りと言えます。
ネパールや中国、雲南省からミャンマーにかけての地域が主なバラの産地で、北半球の温帯域に広く自生しています。
じゅうたんの中から飛び出るなどの演出が得意なクレオパトラがジュリアス・シーザーを歓待した時は、バラの花びらや精油がふんだんに使われました。
古代ギリシャ、ローマ時代には、すでにバラの精油が製造されていました。また、ローマ帝国第5代皇帝のネロもバラを好み、宴会場にもバラ、庭園の池にもバラ、噴水からはローズウォーターという懲りようでした。
さらには、ネロの合図で天井からバラの雨が降り注いだと言われています。
もちろん、料理にもバラの花、バラづくしの宴会が伝えられています。
このように歴史上の人物たちが好んだことでも有名なバラは、中世の欧州では、あまりの人気に、その芳香や姿が人の心を惑わすとして、教会にタブーとされ、薬用用途でしか栽培されなかった時期もありました。
その後十字軍によりイスラムからもたらされたバラは、ルネッサンスで復活し、再びその地位を浮上させ、フランスの皇帝ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌに溺愛され、約250種が集められ、記録に残されました。
これだけ、バラの花、香りは珍重されたんですね・・・しかし・・・。
本当にバラの香りが万人に受け入れられているのでしょうか?
においが科学的に解明されてきたと言えそうなのは、実は、におい物質と炭素数との関係です。
先ほどのバナナの香りの元になるN-アミルアセテートは、炭素が5つ並んだアセテート類の化合物の1種です。
これらは、炭素の数により物理的性質が徐々に変わっていきます。
この炭素の数が増えるにつれて、においが濃くなるということはありません。
実験ではイヌと人間はアセテート類、脂肪酸類、アルコール類の炭素数3~5くらいの物質にもっとも強く応答します。
この数値が、万人に好まれる香りを裏付けていると考えられています。
実は、靴下の蒸れたにおいもバラの香りと似た成分なのです!!

しかし、この炭素数3~5の基準から考えると、蒸れた靴下のにおいの元である吉草酸(きつそうさん)には、炭素数4が含まれているのです!!
これは意外ではないですか?
蒸れた靴下のにおいとバラの香りが親戚みたいな関係というのは・・・・意外です。
精子の持つにおいセンサーの特徴とは!

また、なんと人間の精子には、においセンサーがあり、しかも花の香りを好むというドイツのルール大学の実験報告があるのです。
これは、100種類の香り物質を使って、精子がどのような香りを好むのかを実験するために容器に精子を入れ、におい物質を細い創管で注ぎ、精子の反応を見るというものです。
その結果「花の香り」の香料に使われる物質にもっとも強く反応することがわかりました。
精子が卵子に向かって泳いでいけるのは、卵子が放つ「花の香り」に引き寄せられてたどり着くからだ、という研究結果が発表されるかもしれません。
においの持つ特徴は、生命の誕生レベルと香りの関係、ひいてはヒトフェロモンの謎を解くかもしれません。

